年齢を重ねると心配になってくるのが、何気ない行動で起こる骨折です。骨折すると動く機会が減って筋力が落ちたり、歩けなくなったりすることもあるので、十分に注意したいものです。中でも、ご高齢の方に多いのが転倒による骨折で、その理由や治療時の過ごし方などについてご紹介します。
高齢になると、骨そのものの強度が落ちる「骨粗しょう症」、筋力の低下による「転倒のしやすさ」、転倒時のクッションになっていた「皮下脂肪が落ちる」ことなどによって、若い頃に比べて骨折しやすくなります。ちょっとつまずいたり、転んだりしただけで骨折につながるので、注意が必要です。
年齢を重ねると、転倒しやすくなるため、次の4つの部位を骨折しやすいといわれています。
■太ももの付け根
転んだことによって起こりやすいのが、太ももの付け根の骨折です。歩くことができても折れている場合もあるので、注意が必要です。
■腕の付け根
腕の付け根の骨折は、高齢者以外でも多くみられます。転倒したときに肩をぶつけたり、肘や手をついたりしたときに起こります。
■手首
転んだ拍子に手をつくことで、手首の骨折が起きやすくなります。
■背骨部分
転倒し、しりもちをついたときなどに起こるのが背骨の骨折です。なお、「骨粗しょう症」で、いつのまにか骨折している場合もあるので要注意です。
骨折したときは、病院に着くまで患部を動かさないようにし、氷などで冷やして腫れや痛みを抑えます。病院での処置は、複雑骨折の場合は手術や入院が必要となり、単純骨折の場合はギプスや装具で患部を固定する保存治療となります。
骨折した直後は、強い痛みと精神的なショックで、平常心を取り戻すまで時間がかかるかもしれません。痛み止めで痛みのコントロールができて気持ちが落ち着いてきたら、読書や映画・音楽鑑賞など骨折していても楽しめることをやってみましょう。
年齢や骨折の状態によっても変わってきますが、近年ではリハビリは早めに始めた方が回復が早いと考えられています。骨がくっつきはじめたら、少しずつ加重をかけて松葉づえで歩いたり、骨折部以外の筋肉を使うようにしたり、筋肉が衰えないようにすることが重要です。
特に、ご高齢の場合は、長い間ベッドの上で過ごしていると、寝たきりになるリスクも高まるため、医師に相談しながら無理のない範囲で簡単な運動や指を動かすなどの動作を続けてみましょう。
骨折すると家に閉じこもりがちになりますが、1週間に1度くらいは誰かに会ったり、用事を入れたりするのがおすすめです。日光に当たるだけでも、心身によい影響を与えてくれます。リハビリ期間に入ったら、自分を励ましつつ、元の生活に戻れるよう頑張りましょう。
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