データで見る相続
データで見る相続
文書作成日:2024/05/20
増加を続ける国外財産調書の提出件数

令和5年分から提出期限が6月30日に変更になった国外財産調書制度について、今年1月に発表された調査結果(※)などから、令和4年分までの提出状況などをみていきます。

1
提出件数は右肩上がりを継続中

 調査結果などから、国外財産調書の直近5年分の提出件数の推移をまとめると、表1のとおりです。

 令和4年分の全国の提出件数(合計)は12,494件で3年分から3.2%増加しました。全国の国外財産調書の提出件数は、制度が始まって以降、増加を続けています。

 国税局別では、東京局、大阪局、名古屋局のすべてで令和4年分は増加しました。全体に占める割合は、令和4年分では、東京局が63.2%、大阪局が14.9%、名古屋局が6.9%という状況です。

2
総財産額も増加中

 次に、直近5年分の国外財産調書の総財産額の推移をまとめると、表2のとおりです。

 令和4年分の総財産額は5.7兆円で前年比1.5%の増加となりました。総財産額も提出件数と同様に、増加を続けています。

 局別にみると大阪局と名古屋局は総財産額が減少しています。全体に占める割合は、東京局が76.1%で全体の4分の3を占めています。大阪局は12.2%、名古屋局は3.9%です。

3
財産の種類別では有価証券が減少

 総財産額の推移を種類別にまとめると表3のとおりです。

 令和4年分をみると、財産の中では有価証券が最も多くなっています。前年より3.2%減少しましたが、3兆円を超えて全体の60.4%を占める状況です。次いで多いのが預貯金です。令和4年分は7,775億円ですが、令和2年分で7,000億円を超えてからも増加を続けています。

 3年分からの増減では、上記以外の財産が21.1%の増加となっているのが目立ちます。金額も預貯金に次ぐ額になっています。

 新たに国外財産を取得された方などで、国外財産調書についてお知りになりたい方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

(※)国税庁「令和4年分の国外財産調書の提出状況について
 令和6年1月に発表された資料です。総財産額と局別の財産額の合計額及び財産の種類別の合計額は、四捨五入の関係により一致しない場合があります。国外財産調書の提出制度とは、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する居住者は、翌年6月30日までに当該財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を税務署長に提出するという制度です。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。