高尿酸血症/痛風と聞くと、お酒好きの男性がなる病気だと思っていませんか? ただ近年では高尿酸血症は、女性もかかる病気として注意が必要に。今回は、手軽にできる高尿酸血症/痛風の対策についてご紹介します。
高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dl以上と高い状態で、痛風予備軍とされています。尿酸値が高い状態が続くと、尿酸が結晶化したものが関節に沈着し、激痛を伴います。これが痛風による痛みです。特に発症しやすいのが足の親指の付け根です。
血中の尿酸値が上がる原因は、プリン体を含む食品の摂りすぎをはじめ、肥満、疲労、睡眠不足、ストレス等も原因とされています。ただ、若くても高尿酸血症/痛風にかかる方も一定数いるため、遺伝の影響も大きいと考えられています。
厚生労働省の「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」によると、2022年時点の痛風の通院患者数は130.6万人で、うち男性が123.6万人と94.6%を占めています。
ただ近年、食事を含めた生活習慣の変化などにより、女性でも高尿酸血症/痛風になる人が増加傾向にあります。特に閉経後の女性は、女性ホルモンの分泌が低下することで、それまで排出できていた尿酸が溜まりやすくなり、高尿酸血症/痛風になる場合もあります。
指先が痛い、ひざが腫れる、足がつる等の不調も、高尿酸血症/痛風が原因という場合もあります。高尿酸血症/痛風は、足の親指だけでなく、足の付け根、腰、腕、ひじ等あらゆる関節や指先にあらわれます。なかでも暴飲暴食した翌日にくる痛みは、疑ってみることも大切です。
高尿酸血症/痛風の対策で大切なのが毎日の食事。プリン体の多い食材、少ない食材を把握し、1日の摂取を抑えるようにしましょう。肉類、魚類の一部にプリン体が多く、野菜や卵、乳製品はプリン体が少ない食材です。また、乳製品やビタミンCは尿酸値を下げる働きがあるといわれています。プリン体が多いビール、尿酸値を上げる果糖を含むジュース等も注意しましょう。
プリン体が多い食材 | レバー類、マイワシ(干物)、アンコウ、カツオ、エビ等 |
プリン体が中程度の食材 | 肉類、魚類等 |
プリン体が少ない食材 | 卵、豆腐、野菜類、白米、乳製品等 |
高尿酸血症/痛風の対策に肥満解消は有効ですが、短期間で体重を落とすのは要注意です。急激な変化が高尿酸血症/痛風の引き金になることもあるので、食事の改善や運動習慣は少しずつ身体を慣らしながら行うのがポイントです。激しい運動は尿酸値が上がるため、軽い運動に留めましょう。
高尿酸血症/痛風の疑いがあるときは、血液検査で尿酸値を知ることからはじめ、結果に合わせた改善策をしていただければと思います。
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